オッペン化粧品の「ローズウィーク」 充実度増す地元密着施策

10年超の開催実績、強み≠ノ
次世代への訴求にどう活かすか



▲オリジナル品種を含む337種のばらが楽しめるこの時期の風物詩


▲開催初日に訪問した吹田市の後藤圭二市長と瀧川照章社長
 昨年、創業70周年を迎えたオッペン化粧品(本社・大阪府吹田市、瀧川照章社長)は、老舗の化粧品企業として知られている。人と人のつながりがビジネスの根幹を成すダイレクトセリングにとって、地域との関係性は不可欠なものであり、多くの企業が地域との連携を目的とした施策を実施している。オッペン化粧品が毎年5月に開催しているイベント「ローズウィーク」は、地域密着型の取組みとして認知されており、初回の2014年の開催から10年以上が経過してこの時期の風物詩として定着した。近隣住民やばら愛好家をはじめ、多くの来場者が訪れるこのイベントは、企業単体ではなく近隣の大学や組織・団体との連携によって内容を充実させてきた。
 

定着したばら園
公開イベント

   オッペン化粧品の「ローズウィーク」は、本社敷地内にあるばら園「オッペンローズガーデン」を一般公開するイベント。2014年5月に初めて開催され、以降、この時期の吹田市の風物詩として定着している。コロナ禍だった2020年、2021年はばら園の様子をオンラインで配信したが、2022年からリアル開催を再開。今年も、5月9日〜13日の5日間開催された。初日は午後からあいにくの雨模様となり、昨年に比べると来場者の出足は遅かったが、会期中は天気に恵まれた日もあり、大勢が見頃を迎えたばらを楽しみに訪れた。初日の5月9日には、吹田市の後藤圭二市長が訪問して瀧川社長やばら園を訪れた市民と交流する場面もみられた。
 「オッペンローズガーデン」に植えられているばらは337種4000本にも及び、その数を増やしている。この時期は、「エリカ87」「リベラ87」といったオリジナル品種のばらが満開となるため、ばら園は一気に華やいだ雰囲気になる。ばら園には2種のオリジナル品種のほかに、「ラヴィディキミコ」「ミセスサチコ」と、「オッペンローズガーデン」でしか見ることのできない4品種があり、ばら愛好家には注目されている。ばら園は関西でも有数の規模で、関西エリアの花スポットを紹介する書籍にも掲載された。会場のスタッフによると、今年は天候の影響か、例年よりばらの開花が遅れており、つぼみの状態のばらも散見されたが、「その分長く楽しんでいただける」(会場スタッフ)。オッペン化粧品のばら園は、今でこそ本社のばら園が一般に浸透しているが、以前は大阪・千里中央にあったばら園「オッペンローズシャトー」が知られていた。当時も満開の時期に合わせて一般開放されており、大勢の来場者で賑わったという。「ローズウィーク」は、かつてのイベントを復活させ、地域密着型の企業として存在感をアピールする目的でスタートしたが、10年以上の年月を経て、内容の充実が図られてきた。
 「ローズウィーク」では、無料公開のばらの自由観覧がメーンイベントだが、それ以外にもさまざまな催しやブースが用意されている。  

(続きは2025年5月15日号参照)