日本トリムの中期計画 整水器、27年度に120億円達成へ

今期100億円の大台めざす、カギ握る直販
職域は10%増目標、営業増員さらに推進



 整水器売上、3年で120億円へ――。このほど、3カ年の中期経営計画を策定した日本トリム(大阪市北区、田原周夫社長)。最終年度となる28年3月期に到達を目指すグループ総売上は310億円。この4割弱を構成する形となる整水器は、初年度の26年3月期において100億円の大台を掲げた。達成の大きなカギを握るのは直販事業。中軸となる職域販売は4期連続成長と波に乗っており、人員増をはじめとする営業強化を更に推し進めていく。
 

売上・経常益、過去最高

   日本トリムの25年3月期実績(連結ベース)は総売上が224億6300万円。前期に続いて過去最高を更新し、前期比は10.0%増と二ケタに乗せた。利益も、経常利益で過去最高となる35億3500万円を達成した。
 高い成長に寄与した事業の一つが海外。06年に合弁で乗り出した、インドネシアのボトルドウォーター事業の売上高が過去最高の37億3400万円に達し、前期比で63・4%の増収となった。テレビCMやインフルエンサーによるSNS広告に積極的に予算を投下。同期の利益率を押し下げる要因ともなったが、先行投資と位置付ける。  メディカルカンパニーとしての同社を表す再生医療・電解水透析の医療関連事業は、28億9800万円を売り上げ、9.9%の増収とした。
 安定収益の基盤となっている浄水カートリッジは4.8%増の56億200万円。主力機種「リファイン」で90%近いという高い交換率に支えられ、毎年度伸び続けている。
 一方、整水器は0.6%増の90億7700万円。総売上の4割を占める柱であることに変わりないものの微増に収まった。 

「DS事業」4期連続増

 ただ、他の事業と比較した伸び悩みは、卸・OEMの「MS事業部」の一時的事情によるところが大きく、直販ルートは好調を維持している。
 「MS事業部」は24年3月期に卸価格の改定を実施。このため改定前に駆け込み需要が生じ、同期の売上は52.3%増と急伸。その反動で、25年3月期が21・5%減と落とした。
 これに対して、職域販売の「DS事業部」をはじめとする直販ルートで見た成長率は4.4%増。80億5700万円を売り上げ、コロナショック≠フ影響を強く受けた21年3月期をボトムに、22年3月期から4期連続の成長を達成した。
 特に、核となる「DS事業部」は7.8%増の48億9700万円を売り上げ、成長率は直販ルート全体の数字を3.4ポイント上回った。  

(続きは2025年5月22日号参照)