トップインタビュー 日本シャクリー 杉 茂男 社長 

40歳代の会員層「今後の活躍、おおいに期待」
新たな接点作り奏功「コミュニティ楽しむ場」



 今年、創業50周年という節目を迎える日本シャクリー(本社・東京都新宿区)。国内ダイレクトセリング市場を代表する古参の一社において、より若い層の拡大が徐々に進みつつある。2年前のコロナ明けに前後して、40歳代〜50歳代の参加が増加。今後3年〜5年をかけて、ビジネスリーダーへ成長すると期待をかける。フィールドでは、スポンサリングにつながる行為や製品の提案を急がず、様々な趣味・目的のコミュニティ作りを通じた活動で成果が見られている。代表取締役執行役員社長の杉茂男氏に話を聞いた。(インタビュー実施日は3月28日)
 

新規登録数「スローな回復」

   ――25年3月期の売上を伺いたい。
 「前年(=24年3月期)比で微減の見通し。ここ数年、減収基調が続いた」
 ――会員数と新規登録の状況は。
 「アカウントベースは約30万だが、アクティブの定義や認識によっても大きく変わってくるので、アクティブの人数としての公表は控えている。
 メンバー(=愛用会員)の新規とディストリビューター(=ビジネス会員)の新規を合わせた人数は、前年比で約25%増えた」
 ――25%増加したことの評価は。
 「もう少し増やしたかった」
 ――20年にコロナ禍となる前の新規と比較すると。
 「19年の水準には達していない。スローな回復となっている。ただ、スポンサリングの活性化を目的とした施策は、どれも一定の成果をあげたと思う。それを踏まえて、今年(=26年3月期)の施策を組んでいる」
 ――リーダークラスの「スーパーバイザー」の人数と昇格状況は。
 「ここ数年は1200人台〜1300人台で推移している。昇格数は前年に比べると増えたが、期待値までは行かなかった」

40〜50歳代が増加傾向

 ――微減の主な理由は。
 「コロナ禍が明けた2年前くらいから、20歳代〜50歳代の会員が増えてきた。特に増えているのは40歳代〜50歳代。若い層の増加傾向は評価できる。
 一方、中心となっている60歳代以上のベテラン世代に比べると、子育てや教育の費用のほうが優先されやすいため、購買のボリューム自体は小さくならざるを得ない。
 他社と比較した場合、どの世代の購買ボリュームも大きいほうだとは思うが、これが減収要因の一つになっていると思う。各世代の単価は、ここ数年ほぼ変わっていない」
 ――23年5月に製品価格を3%〜4%値上げした。影響は。

(続きは2025年6月5日号参照)