さらに急展開、モデーア事業終了の行方

米シャクリーが事業買収、人気製品の販売開始



▲事業買収を発表した5日後より、モデーアの人気製品だったコラーゲン飲料やウェイトマネジメント食品の販売を開始(写真は米シャクリーWEBサイトのモデーア製品販売ページ)
 突然に事業を終了したモデーアをめぐり、さらなる急展開――。本紙既報の通り、米シャクリー(フロリダ州)が米モデーア(ユタ州)の事業買収を発表した(6月5日号6面参照)。買収対象はモデーアの製品とその処方や特許、北米の製造施設など。一部の製品は早速、販売が始まった。実質的な廃業を明らかにした後、同業他社の買い手が現れた今回の状況は業界において異例。今後の行方が注目を集めている。
 

異例の買収プロセス

   米シャクリーによる事業買収が発表されたのは現地時間の5月23日。米モデーアの事業終了は現地時間の4月11日に明らかとなったため、1カ月半弱で事態を急転させたことになる。
 買収したのはモデーアの実質的な全事業。すべての製品とその在庫、製品に関わる処方、特許、商標が含まれる。モデーアの北米の製造施設と製造設備および試験設備も買収の対象となった。
 なお、業界関係者の関心が高いと考えられる買収額は公表されていない。
 業界における過去の買収は、買収対象の企業が事業を継続した上で譲渡を行うか、裁判所の管理下で経営再建を進めながら新たな出資者を募るケースがほとんど。事業終了後の買収という異例のプロセスが関心を高めるもう一つの理由となっている。
 実際、モデーアは旧ニューウエイズ時代の11年〜12年、ゴールデンゲートキャピタルという投資会社の傘下で約2億3500万ドルの債務返済問題が浮上した際は、債務の圧縮や返済時期の見直し等に合意が得られなかった場合、所謂チャプター・イレブン(米連邦破産法第11章、日本の民事再生法に相当)の申請を視野に入れていた。  債務は、旧ニューウエイズ買収のために投資会社が借り入れた資金の一部で、買収後は同社の借金となっていた。この問題を解決した際、実質的オーナーは、事業終了時点の大株主だったZキャピタルパートナーズに入れ替わった。

他製品「近日中に登場」

 一方、今回のシャクリーによる買収。対象となった製品の一部は、5月28日より、シャクリーのWEBサイトやMLM組織を通じた販売が開始された。発表からわずか5日後となり、その迅速さが注目を集める一因となっている。
 6月2日時点で、WEBサイトで購入が可能となっている製品は18アイテム。主力ラインだったコラーゲン飲料「リキッド・バイオセル」シリーズは、「ピュア」「ライフ」「ビューティー」「イミューン」の4品が並ぶ。同じくコラーゲンが配合されたウェイトマネジメント食品「トリム」シリーズは、フレーバー等の異なる9アイテムが用意されている。
 この他は、人気サプリメントだった「バーン」「カーブ」「スカルプト」と、ペット向けの2アイテム。WEBサイトでは「さらに多くのモデーア製品が近日中に登場予定」と予告≠ウれている。

(続きは2025年6月12日号参照)