ポーラのインバウンド戦略 日本のハイブランド°ュく訴求

現場とのイメージ乖離、課題に



▲百貨店や免税店での制服を大幅に刷新


▲伊勢丹新宿店で開催された「B.A」の限定イベント
 ポーラ(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)が、インバウンド向けの戦略を強化している。9月1日に発売する最高峰ブランド「B.A」シリーズに合わせて、期間限定のイベントを開催したり、インバウンド客との重要な接点となっている免税店等での訴求力を強化し、攻勢につなげる構えだ。
 新「B.A」は、2025年下期におけるポーラの戦略の要で、発売に先がけて、8月から「ポーラ ザ ビューティー」などのエステ実施店舗で新「B.A」を用いたエステメニューを導入している。ポーラではこのところ、ロイヤルユーザーの確保・育成を重視した取り組みを強化しており、投資の優先順位として新規顧客の優先度を下げ、既存顧客のLTVや稼働の向上に注力。これにより、もともとポーラブランドに高いローヤリティをもつ既存顧客の売上を安定化させ、より高収益を望める顧客≠囲い込む狙いがある。委託販売チャネルは年々その売上比率を下げているとはいえ、未だ6割程度の占有率をもつ主力であることに変わりはなく、テコ入れは不可欠だ。
 一方、インバウンド需要や海外展開は将来的な成長が見込めるとして、新規ユーザーの獲得に期待感を寄せる。看板ブランドである「B.A」は、約6割を国内、約4割を海外で売り上げている。ポーラ全ブランドにおけるB.A売上占有率は、国内では40%にとどまるが、海外では81%にも上っており、海外では「ポーラ=B.A」という図式が成り立っている。つまり、新「B.A」は海外展開を本格化させるための重要なステップという位置づけと言える。11店舗の空港免税店コーナーをはじめ、海外では中国大陸・香港・台湾・マカオ・タイランド・シンガポール・韓国・マレーシア・インドネシアの9の国と地域、ベトナム・オーストラリアの免税店で順次発売する予定だ。

(続きは2025年9月4日号参照)