人口減少期でも成り立つビジネスをしよう
ダイレクトセリング市場に精通する業界人に、現場の過去・現在・未来を語ってもらうシリーズ「Voice of Field」。今回は、MLM業界歴30年以上のV氏(匿名)の寄稿をお送りする。
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ネットワークビジネスに関与して30年、いろんなことがありましたが、業界が良くなればと思いペンをとりました。
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30年前の1995年と言えば日本の市場規模は3兆円ほどで、アメリカに次いで2位でした。2025年の今は1兆円程度になっており、残念だけど市場規模は減って世界では5位まで後退しました。
暗号資産などの金融系のビジネスが増えて、「MLMより儲かるから」という安易なトークによって人が流れたというのも減少の要因の一つだと思います。
さらに過去と比べるとシステム会社が増えて、簡単に会社を立ち上げる人も多くなり、消費者としては情報過多で判断がドンドン難しくなっています。
中国・韓国ではネットワークビジネスは認可制となっていて、国が介在して売上・会員数・収益会員数などを発表しています。
一方、アメリカは立ち上げるのは簡単なのですが、公的機関が必ず半年以内に調査に来て色々質問されるそうです。預金残高まで聞かれるそうです。
BBB(業種別の自主規制プログラムを運用・監督する非営利団体)がクレーム内容によるランクも発表しております。DSSRC(ダイレクトセリング自主規制協議会)、FTC(公正取引委員会)などが問題のあるところは発表しています。
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そう考えると日本は訪問販売協会・消費者生活センターなどはありますが、調べにくい状況だと言えます。アメリカや韓国と比べると行政の交通整理ができてない(透明性が低い)から市場規模も下がっていると言えます。消費者としては業務停止歴と売上推移は見た方がいいと思います。