外資MLMの日本上陸「再び」、展望は
ジンジーノ
ボディプロを買収、国内進出の基盤に
競合を次々傘下に、APAC開拓強化
▲ジンジーノが200万ドルで買収したボディプロは売上の55%を日本が占める(写真は日本版WEBサイト)
コロナ禍を境に途絶えた外資MLMの日本上陸。22年〜23年にかけては、国内市場のシュリンクや本社の苦境を背景に撤退が相次ぎ、今年4月のモデーアショック≠ヘ業界に衝撃をもたらした。マイナスの事象ばかりが目に付く中、このほど、欧州や北米を主戦場とする大手2社が国内市場進出に乗り出した。スウェーデン発のMLMで、競合他社を積極的に傘下に収めてきたジンジーノ社が、日本に大きな売上をもつ米競合を買収。不動産仲介MLM大手の米eXpRealty社は日本法人を設けて本格始動した。2社の上陸は潮目を変える端緒となるのか。
ジンジーノ(Zinzino、以下ジ社、スウェーデン、ダグ・ベルクハイム・ペーターセンCEO)は9月12日、競合MLMのボディプロ(BodePro、以下ボ社、米アリゾナ州、ベンソン・K・ボーレイコ創設者兼CEO)の買収を発表した。買収額は200万ドル(約3億円)。ジ社は近年、競合を相次いで買収しておりボ社が8社目となる。
買収の対象は、ボ社のディストリビューターおよびカスタマーのデータベース、製品在庫、知的財産権など。買収資金の半分は自社の自己資金から現金で支払われ、残り半分はジ社の新規発行株式を譲渡する。今後、ボ社売上の成長に応じて、最大360万ドルのジ社株式を譲渡する契約を結んだ。
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ボ社創設者のボーレイコ氏の名前を知る業界人は、日本でも少なくないだろう。90年代後半に創設したニュービジョンを日本に持ち込んだ後、新たに立ち上げたビマを米FTC法違反で当局が提訴。和解した翌年の17年、ボ社をスタートさせた。
ボ社のプレマーケティング開始は18年。19年中に会員登録数が1万人に到達し、日本売上が10億円を突破するなど波に乗った。しかし、コロナ禍等が逆風となり、近年は伸び悩んでいた模様だ。
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そして、ジ社による買収。ここでもっとも注目されるのが、ボ社売上の過半数を日本が占めること。