老舗DS企業の営業戦略 外向きのリアル施策′ー著に
期間限定イベントやコラボ展開
ブランドの強みどう活かす
▲期間限定のポップアップストアとコラボメニューで「ミキプルーン エキストラクト」をアピール(三基商事)
ライフスタイルや価値観の変化に合わせて、ダイレクトセリング業界ではビジネスモデルの改革が進んでいる。オンライン・オフラインを組み合わせた新たなサービスによって、これまでアプローチが難しかった層を取り込む動きが強まっているが、このビジネスの強みである「直接対面」への導線の確保が業態改革のカギとなる。このところ、リアル施策を重視するトレンドがみられるが、従来と異なるのは、愛用者や会員といったクローズドマーケットだけでなく、一般向け、いわゆる外向き≠フ施策が増えていることだ。この動きは特に老舗企業において顕著で、長年の事業で培ったブランドの信頼性を武器に新規ユーザーへの訴求を強めている。
有名菓子店とコラボメニュー
三基商事の主力アイテム「ミキプルーン エキストラクト」は、ダイレクトセリング企業の中でも知名度が高い商品の1つだ。1972年の発売以来、実に50年以上も展開しているロングセラーアイテムで、長年の愛用者も多い。その一方で、代理店による直接販売を中心に展開しているビジネスモデルゆえ、「ミキプルーンという名前は知っていても、どこで購入できるのか分からない」というケースも少なくない。一般消費者の知名度を高め、関心をもってもらい、購入につなげてもらうという導線の構築は、三基商事だけでなく老舗ダイレクトセリング企業にとって命題と言えるもの。これに対して、三基商事では昨年から外向き≠フ施策にも力を入れ始めている。10月2日〜8日の約1週間、東京・渋谷の渋谷ヒカリエShinQs東横のれん街(地下2階)に、期間限定のポップアップストアを出店する。また、今回初めての取り組みとして、有名菓子ブランド3社とのコラボレーション商品を販売する。
同社では、2024年10月に松屋銀座(東京)に初めての取り組みとしてポップアップストア出店し、「ミキプルーン エキストラクト」をはじめとする商品の紹介・販売を行った。出店期間中には、調理家電ブランド「バイタミックス」とのコラボデモンストレーションを開催するなど、松屋銀座の来店者に訴求した。反応は上々で、もともと「ミキプルーン」を知っている人や、ブースをふと訪れた消費者が商品を手に取り、購入するなど、ブランドアピールの手法として有用であることが分かった。
今回、東京・渋谷で開催されるポップアップイベントはこれに続くもので、新たな取り組みとして有名菓子ブランドと「ミキプルーン エキストラクト」を用いたコラボレーション商品を開発、販売する。