統計から見る「整水器」市場の今 国内市場規模、出荷ベースは約70億円

出荷数の半分近く輸出に
金額ベース国内上回る



 整水器市場はおおむね拡大傾向――。本紙が厚生労働省の薬事工業生産動態統計調査に基づいてまとめた「連続式電解水生成器(アルカリイオン整水器)」のデータによると、2023年の整水器の出荷ベースの台数および金額は、過去10年間で最高だった。調査方法が大幅に変更された19年以降のデータでも同様。一方、出荷数の半数近くは輸出に回っており、出荷額で見ると国内市場を大きく上回っている。
 
 23年の出荷台数は24万4282台(グラフ参照、12月末在庫を含まないため生産台数と異なる)。14年以降の10年間で最高だった、21年の23万3112台を1万台以上上回った。
 出荷金額(=販売単価×出荷数量)も過去最高を更新。23年は309億5900万円となり、それまでの最高だった21年の304億3500万円を超えた(百万円未満は切り捨て)。浄水カートリッジ等の必須アイテムを含むと更に大きくなる。
 過去10年間の整水器市場は、14年に一度目のピークを迎えている。同年の出荷台数は21万5857台。背景には、抗酸化や活性酸素といった関連ワードとともに盛り上がった「水素ブーム」がある。アルカリイオン水の溶存水素が注目を集めるとともに、水素関連のミネラルウォーターやサプリメントが次々に登場した。
 しかしその後、市場規模は急速に縮小。17年の出荷金額は14年対比で約3分の2に。18年の出荷台数は5割強まで後退している。

(続きは2025年10月23日号参照)