「モデーア・ショック」消えない波紋 A 破産手続き申請、いまだ確認されず
焦点は預金残高と製品在庫
モデーアジャパンの4月の事業停止で、未払いとなったMLM報酬。会員は今後、その一部でも支払いを受けられるのか。可能性の一つは法的整理だろう。具体的には、裁判所に対する破産手続きの申請をあげられる。ただ、10月17日時点で本紙は、申請が行われた事実や裁判所による手続きの決定を確認できていない。
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破産が決定した場合、裁判所によって、申請法人や債権者と利害関係のない弁護士が破産管財人に選任される。残った資金の確保と資産の換価が行われ、公租公課等が差し引かれた後、破産財団の預金残高から公平に配当が行われる。配当率が数%というケースもあるが、未払い問題に決着≠ヘつく。
海外ではすでに法的整理が進んでいる。
米国の親会社は6月、米連邦破産法第7章――通称チャプター7の適用を裁判所に申請し、手続き開始の決定を受けた。7月にはニュージーランド法人が清算手続きの決定を受けた。ニュージーランドの手続きにはオーストラリア事業も含まれるという。
主要市場の中で、法的整理が確認できていないのは日本だけということになる。直近の国内他社の事例では、昨年12月に事業を終了したタッパーウェアブランズ・ジャパンが6月に破産手続き開始の決定を受けている。
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破産手続きの申請は幾つかの要件をともなう。一つは従業員の解雇。ただ、本紙の取材では、解雇通知が6月頭までに行われたことを確認している。その後、解雇手続きは終了したとみられる。
他には、裁判所に納める予納金があげられる。
金額は負債総額で決まっており、法人の場合は、負債が1億円〜5億円未満で200万円 、5億円〜10億円未満で300万円、10億円〜50億円未満で400万円となっている。
モデーアジャパンの本紙推定年商は約50億円。負債額が判然としないため、はっきりとは言えないものの、決して高い額ではないだろう。申請手続きを行う弁護士への依頼料も必要となるが、相場は予納金と大きく変わらないようだ。
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一方、今後、破産手続きの申請が行われ、裁判所の決定を受けた場合、現金と換価可能な資産がどれほどあるかが最大の焦点になってくる。
現金はまず、未払い報酬の原資を考えられる。