アシュランのグループ戦略 地域密着型の新規事業を展開
グァバ茶ペットボトルの製造・販売
出水市の良水を活用
アシュラン(本社・福岡県大野城市、東孝昭社長)は、30年以上の歴史を有する老舗企業の1社だ。化粧品の製造・販売事業を主力に、本社のある大野城市では、ハイグレードな施設とサービスを提供する施設「グランドエンパイアホテル」を運営し、宿泊利用やプロスポーツチームの遠征、会議、婚礼などで活用されている。東社長の出身地である鹿児島県出水市では、「出水酒造」での焼酎づくり、宿泊施設「ホテル泉國邸」の運営、「出水農産」での作物の栽培を手がけ、事業の多角化にも力を入れている。2024年10月には、「出水ヘルスウォータ」(本社・鹿児島県出水市、矢原芳孝社長)を設立し、グァバ茶ペットボトルの製造・販売事業に進出した。
新会社を昨年10月に設立
アシュラングループが新規事業として立ち上げた「出水ヘルスウォータ」は、グループが展開する出水酒造やホテル泉國邸と近隣の立地に本社社屋および工場を置く。いずれも会社設立と同時に新設され、最新の設備を備えている。2024年10月の設立からグァバ茶ペットボトルの製造・販売の準備を進めてきたが、このほど「出水のグァバ茶 神秘也」という名称で販売を開始し、本格的な事業展開をスタートした。
グァバ茶ペットボトルの原料となるグァバ葉は、アシュラングループの傘下である出水農産(鹿児島県出水市)で生産されている。出水農産では以前からグァバを栽培しており、茶葉として販売していた。大規模なビニールハウスで栽培されているグァバ葉は、年に5〜6回の収穫が可能で生産性も高い。この事業をさらに拡大し、出水市の良質な水を用いてペットボトルとして製造・販売する運びとなった。なお、グァバ茶ペットボトルの製造に用いられている水は、地下200メートルから汲み上げた地下水で、出水酒造で生産される焼酎「出水に舞姫」など、各製品でも用いられている。pH8・2、アルカリ性で素材の味を一層引き出すとされる地下水は、出水酒造の敷地内で「出水酒造の仕込み水」として無料提供しており、容器を持参すれば誰でも持ち帰ることができる。こちらの出水の地下水についても、ミネラルウォーターのペットボトル(名称・出水の地然水 金運なり)として一般販売している。