ポーラ・第3四半期業績 営利改善も売上減続く

「B.A」買い控えで売上減
第4四半期で巻き返しなるか





 ポーラ(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)は現在、新たなトップのもとでブランディングの強化やグローバル展開、国内委託販売チャネルの立て直しなど、さまざまな課題の解決に取り組んでいる。2025年1月の経営陣刷新からまもなく1年を迎えようとしているが、業界環境の厳しさも相まって楽観視できるものではないようだ。11月7日に発表されたポーラ・オルビスホールディングスの2025年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0・3%減の1250億200万円、営業利益が同10・5%増の119億5200万円、経常利益が同4・3%減の112億2400万円、当期利益が同10・1%増の76億5200万円となった。
   

業績下支えした
オルビスの好調

 ポーラ・オルビスホールディングス全体の業績については、売上高が想定より下回る結果となった一方で、営業利益は約13億円の上振れとなった。全体では、国内事業が増収となったものの、海外事業が減収した結果、売上高は前年同期並みの水準となった。主力のビューティケア事業の実績をみると、売上高が1204億1100万円で前年同期比0・9%減、営業利益が同1・0%増の118億5500万円と、減収増益。このうち、ポーラブランドについては、売上高が同3・4%減の659億9700万円、営業利益が同13・4%減の67億2000万円と、減収幅は縮小しつつあるが、営業利益については減益幅が第2四半期(0・8%減)から大幅に膨らんだ。グラフ1では、2009年12月期から直近の2025年12月期第3四半期までの売上高および営業利益率の推移を示した。また、グラフ2では販売チャネル別の売上構成比の推移を示した。  他のブランドの状況をみると、オルビスブランドでは、売上高が同4・7%増の375億800万円、営業利益が同4・3%増の68億7100万円と引き続き好調に推移しており、全体の業績を押し上げている。Jurliqueブランドでは、売上高が同6・8%減の56億400万円、営業損失が12億4200万円、育成ブランドでは売上高が横ばいの113億100万円、営業損失4億9400万円となった。前期まで小林社長が陣頭指揮をとっていたオルビスについては、ビューティケア事業の中で唯一増収を達成している。既存顧客の安定化による基盤の強化が進んでいるほか、第3四半期では、クレンジングオイルを中心とした販売促進が奏功してスキンケアが伸長した。オルビスの直販チャネルについては、顧客数が200万人以上となっており、今後の伸びの鈍化も予想される。このことから、外部チャネルでの展開にも注力しており、売上伸長率では26・5%増を達成。直販の1・6%を大きく引き離している。同ブランドの売上構成比は、直販が78・7%、外部チャネル他が19・3%、海外が2・0%となっている。オルビスでは、小林社長時代に、かつての通販ブランド≠ニいうカテゴライズから脱却し、付加価値のある高価格帯アイテムの売上比率を上げるなど、ブランディングの見直しを図ることで業績回復につなげてきた。

(続きは2025年11月27日号参照)