消費者契約法検討会が初回会合 「根本的改正」「汎用的規律」が課題に
適正な解約料、ソフトロー活用なども
消費者契約法の見直しをテーマとして消費者庁が立ち上げた「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」は11月25日、1回目を開催した。会合では、デジタル取引の急速な浸透や消費社会の複雑化などを理由に、現代社会に対応した法律とするため踏み込んだ見直しを求める意見が出た。個別の課題は、適正な解約料やソフトロー(事業者自主規制)の活用のあり方などが議論された。今後はワーキンググループで議論を深めつつ、来年夏頃の中間まとめを予定する。
大学・大学院の法学系の教授を中心に、弁護士、消費者団体、経済団体、労働組合、社会福祉協議会からなる計15委員で構成。座長は山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授が就任した。
なお、同検討会と並行して開催される「デジタル取引・特定商取引法等検討会」も来年夏の中間まとめを予定。その後、2検討会の合同開催が視野に入っている。
事務局を務める消費者制度課は、論点に@消費者の多様な脆弱性への対応に必要な規律A消費者契約の各プロセスに必要な規律Bハードロー(法律)の下でのソフトロー活用C解約料の実態を踏まえた実効的な仕組みD横断的な検討事項――の5つを提示。
ダークパターンによって消費者が不利な判断・意思決定に誘導されるなど、単独で十全な意思決定をすることが一層困難になっていることから、誰しもが「多様な脆弱性」を持つことを消費者法制度の基礎に置いた上で、現代社会に適応する規律などを通じ、消費者が安心・安全に取引できる環境の整備が求められていることを議論の前提に示した。
