報酬額トップは20万登録YouTuber

「良い動機」提供、傘下構築の「発想なし」


 ダイレクトセリング市場に精通する業界人に、現場の過去・現在・未来を語ってもらうシリーズ「Voice of Field」。前回に続いて、MLM業界歴約30年のF氏(匿名)の寄稿をお送りする。
 さて、前回は、インフルエンサーの「影響力」と、MLMの世界で見られる「カリスマ性」の違いに触れました。
 カリスマ性は組織に活力を与える源泉です。ですが、MLMの外のマーケットで「カリスマ性」は意味を持たないでしょう。
 MLM市場は飽和状態にあり、外の市場を取りに行く必要があります。このことを見据えた時、インフルエンサーマーケティングは大きなヒントを与えていると思います。
 私が実際に経験し、身近に起こった成功例を見ると、共通の特徴がありました。それらの特徴をまとめてみましょう。
 旧来のMLMでは、如何にダウンライン組織を構築するかが成功のカギとされます。  しかし近年の成功事例を見ていると、このようなネットワーカー的思考が全く無い人たちが多く加入されています。
 例えば、インスタグラムで多くのファンを持つ方が、私が在籍した会社のビジネスに参画されました。インスタグラム上で、「商品を使ってキレイになったこと」「商品が当たり前にあるライフスタイル」を演出されていました。
 毎月60人以上の新規顧客がインスタグラムを通じて商品購入されており、非常に速いスピードで愛用者の輪が横に広がっていきました。
 ちなみにこのケースは、インスタグラムで海外から日本に伝わった実例で、ご本人とスポンサーが実際に会ったのは、ビジネスが開始して1年ほど経過した時の海外報奨旅行先でした。
 整骨院や美容院の経営者が商品を気に入り、彼らのプロとしての「信頼・信用」が、商品愛用者の輪を急速に作るケースもあります。

(続きは2025年12月18日号参照)