第77回ダイレクトセリング実施企業売上高ランキング

前期比1.3%増の1兆3414億円に

緩やかな回復基調続く
新たなビジネスモデルに期待



 本紙が2025年12月に実施した「第79回ダイレクトセリング(DS)実施企業売上高ランキング調査(対象・DS=訪販・MLM企業)では、調査企業120社(小売ベース60社、卸ベース60社)の小売ベースの売上高総額は、1兆3414億800万円となった。前期と比較すると1・3%の増加で、前回調査(2025年7月)と比較して横ばいで推移した。物価高が企業のコストを圧迫するとともに、消費者の購買行動にも大きな影響を及ぼしている。老舗・大手、ITの積極活用や新領域への進出し、高齢化が進む既存組織の縮小という課題に向き合っている。業界全体が大きな転換期を迎える中、次世代ビジネスモデルの創出が期待されている。

 

一進一退の老舗化粧品


   回答企業を販売形態別(グラフ1参照)にみると、訪販が61社、MLMが51社で、2分野で回答企業の9割を占めた。売上ベースでは、訪販が6823億6700万円、MLMが5427億9400万円。小売・卸ベースともに上位の企業ついては表1および2に掲載。小売ベース11位〜59位、卸ベース11位〜60位については2面に表を掲載している。前期で売上増収率が高かった上位10社についても、2面でまとめている。
 小売・卸ベースの上位企業20社では6社が増収を達成した。化粧品分野では、ポーラ、日本メナード化粧品、ノエビアといった老舗大手で一進一退の状況が続く。最大手のポーラは、第3四半期でポーラブランド売上高が前年同期比3・4%減の659億9700万円、営業利益が同13・4%減の67億2000万円。減収幅は縮小しつつあるが、営業利益については減益幅が膨らんだ。2025年1月にトップが交代し、新体制となって1年が経過したポーラは、最高峰ブランド「B .A」を筆頭にラインナップの強化を図っている。成熟市場である国内だけでなく、将来的な開拓が見込まれる海外、特にアジア地域で 「B .A」を前面に出したブランディングを展開することで、グローバルブランドとしての地盤固めを狙う。 国内市場では縮小が続く委託販売チャネルへのテコ入れをしつつ、百貨店や化粧品専門店などの販路を拡大して顧客接点の多様化を図る。
 

(続きは2026年1月1日号参照)