本紙アンケート・36社の回答集計 インボイス、DS業界の対応・影響は
事業者からの番号提供、7割は乏しく
未提供者との取引、56%が条件を変更
報酬支払い、4割は経過措置を踏襲
74%が経営に負担、廃止求める声も
23年10月の「インボイス」制度開始から2年以上が経過した。年間課税売上1000万円以下の免税事業者と取引する企業は、事業者に適格請求書発行事業者(課税事業者)に転換してもらい、適格請求書(インボイス)の提供を受けないと、仕入れに関し支払った消費税の税額控除(全額控除)が出来なくなった。一方、ダイレクトセリング業界を支える委託販売員やディストリビューターは免税事業者が少なくない。計6年の特例措置はあるが、企業と現場の双方に負担を強いている。そこで本紙はインボイスの対応・影響を聞く業界アンケートを実施。36社の回答をまとめた(回答企業参照、集計期間は25年11月13日〜12月16日)。
アンケートでは、委託販売員やディストリビューターなどを想定して、自社製品・サービスの販売や、新規客の開拓・紹介を行う事業者と取引があるか聞いた。集計の結果、取引が「ある」(26社)が72%を占め、残り18%は「ない」(10社)だった。
ただし、「ない」とした10社のうち9社は連鎖販売取引を実施。実際はディストリビューターがいるとみられるが、以降の集計は「ある」とした26社を対象に行った。
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取引がある該当事業者のうち、どの程度の事業者からインボイスの登録番号の申請・提供を受けたか聞いた結果、もっとも多かったのは「少数の事業者から登録番号の申請・提供を受けている」(13%)で50%を占めた(グラフA参照)。
「登録番号の申請・提供をほとんど受けていない」(5社)は19%。両回答を合わせると、全体の7割は番号の提供を受けるケースに乏しかった。背景には、免税事業者から課税事業者への移行の嫌気などが推測される。
「大半の事業者から、登録番号の申請・提供を受けている」「半数程度の事業者から、登録番号の申請・提供を受けている」(各3社)とした回答は、合わせて4分の1以下にとどまった。
「その他」(2社)の記述式回答では「大半の高額所得事業者から提供を受けた」がみられた。
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次に、登録番号の申請・提供を受けていない事業者との取引で、どのような対応を取っているか調査(グラフB参照)。集計の結果、「登録番号の申請・提供を受けた事業者とは異なる条件で取引を行っている」(12社)が最多となり、48%を占めた。