新サロン戦略の狙いを聞く ポーラ 代表取締役社長 小林 琢磨 氏

「体験価値を進化させる」
グローバルに強くブランド発信



 ポーラ(本社・東京都品川区)が、主力の委託販売チャネルの改革に注力している。ピーク時に比べればその勢いは落ちているとはいえ、未だポーラブランド売上の6割を占めている同チャネルは、令和の時代でも重要な販売網と位置付けられる。しかしながら、販売員の高齢化や消費者ニーズの変化などを背景に、既存のサロンビジネスは厳しい状況が続いている。これに対し、ポーラは2025年12月12日、東京・銀座の旗艦店「ポーラ ギンザ」をリニューアル。これを機に、新しいタイプのサロン展開をスタートさせ、打開を図る狙いだ。12月11日に開催された「ポーラ ギンザ」の発表会において、小林琢磨社長に新サロン戦略の狙いなどを聞いた。
 

理念とリンクした旗艦店

   ――まず、リニューアルした旗艦店「ポーラ ギンザ」について。世界的なアーティストを起用してデザインを行い、空間、音、光、香りといったファクターで感性を刺激して新しいアプローチでポーラブランドを訴求していくということです。実際、店内を内覧すると白を基調とした1階、有機的なイメージや香りの地下1階とそれぞれ特徴があります。小林社長が就任して1年になりますが、これまでの間、ポーラでは最高峰シリーズ「B.A」によるブランド訴求をかなり強化してきました。その流れから、「ポーラ ギンザ」も、「B.A」のイメージに沿ったかたちで刷新するものと思われましたが、実際はガラリと変えてきたように思います。
 「一見するとそう思われるかもしれませんが、新しい『ポーラ ギンザ』も、企業理念『Science. Art. Love.』にもとづいて設計されています。研究開発力に裏付けられた製品づくりと、カウンセリングと直接の商品のお渡しというポーラの歴史は、東京進出の拠点となった『ポーラ ギンザ』の場所ともリンクしています。ハイプレステージブランドの、そこでしか体験できない≠ニいう価値を提供していくという意味では、『B.A』も『ポーラ ギンザ』も、同じコンセプトで展開しています」
 ――「B.A」の強化は、国内の需要喚起だけでなく、海外、特にアジア圏でのマーケット創出を見込んだものと思われます。私事ですが、先日、箱根に旅行に行ってきました。多くの外国人観光客で賑わっており、ポーラ美術館にも国内外を問わず多くの人が訪れていました。そういう意味では、ポーラブランドはさまざまな角度で海外ニーズへアプローチしていると言えますが、「ポーラ ギンザ」ではどのように新規層、特にインバウンドに向けて発信していくのでしょうか。

(続きは2025年1月8日号参照)