ポーラ・小林社長就任から1年 ブランド価値創出の「次の一手」
難航した新サロン戦略構築
ハイブランド化による状況打開
▲新しいサロン戦略でリアルならではの価値を訴求する小林琢磨社長(ポーラ 銀座発表会)
▲最高峰ブランド「B.A」でグローバルに攻勢をかける
ポーラ(本社・東京都品川区)では、約1年前の2025年1月1日付で新体制がスタートした。小林琢磨氏は、ポーラ・オルビスグループのオルビスの社長を務め、同社の回復を果たした手腕を買われてポーラの社長に就任。コロナ禍を機に苦境が続いているグループの屋台骨の立て直しという大仕事を任された。その後、ポーラはどう変わったのか。昨年12月には、旗艦店「ポーラ ギンザ」が大幅にリニューアルされ、対面ならではの価値≠強く打ち出した。消費行動の多様化が進み、直接対面のアドバンテージをどう打ち出すか、その1つの回答が旗艦店のあり方で示されたかたちだが、その一方で、従来の販売現場との乖離も懸念されている。
委託販売の改革に着手
2025年1月の社長就任から間もない時期に、業界紙誌を対象とした会合において、小林琢磨社長は自身が描くポーラのロードマップを示した。まず、オルビス時代に、「通販化粧品≠ニいうイメージのカテゴライズからの脱却」を推し進めたこと、ロゴやビジュアルの変更、売れる商品≠フ構造を変え、より高い価格帯のブランドで新規およびリピート顧客を獲得していくスタイルを構築し、「オルビスというブランドそのものにメスを入れた」(小林社長)。その結果、オルビスは業績を回復し、グループの中核ブランドという位置づけを強固なものにした。この実績を踏まえ、ポーラにおいても、それまで不十分だったデータの積極的な活用を推進し、販売チャネルを横断して顧客データを管理.サービスを提供する「ポーラ.プレミアム パス(=PPP)」のようなシステムを活用することで、精度の高いCRMを展開できると言及した。
足元の業績をみると、2025年12月期第3四半期のポーラブランドについては、売上高が同3.4%減の659億9700万円、営業利益が同13.4%減の67億2000万円と、減収幅は縮小しつつあるが、営業利益については減益幅が大幅に膨らんだ。販売チャネル別の売上構成比は、委託販売が59.8%。百貨店は13.9%、ECは7.6%、ホテルアメニティは5.5%。海外は13.9%。売上伸長率は委託販売が前年同期比4.7%減と減少傾向が続く一方、他の販売チャネルでは、百貨店が同2.5%増、ECが同5.1%増、ホテルアメニティが同23.1%増とプラスとなっており、主力の委託販売が影響力を落としている一方で、他のチャネルは堅調推移している。委託販売チャネルの縮小は、販売員の高齢化に伴う営業力の低下が大きいが、顧客接点としての機能が時代の変化に追いついていないという側面もある。