消費者庁のデジタル・特商法検討会 本格論戦を前につばぜり合い

積極派…「健全な市場作れる」、不招請規制求める意見も
慎重派…トラブル「緻密な分析を」、「執行体制に問題」



 1月22日、消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」(以下検討会、座長=大屋雄裕慶應義塾大学法学部法律学科教授)の第1回会合が開かれた(2月5日号4面既報)。本格的な討議は2月中旬の第2回より始まる。その前哨戦と言える第1回では、インターネット取引やダイレクトセリングで急増している新たな消費者トラブルへの対応に関し、法規制の強化こそが健全な市場を作ると主張する積極派≠ニ、行き過ぎた規制が問題のない事業者にも悪影響を及ぼすとする慎重派≠フ間で、意見のつばぜり合いを生じた。どちらも、悪質事業者の排除が必要という認識は共有。今後は、その方法論が最大のテーマとなる。

「大きな転換点」

 「本検討会は、進展の早いデジタル取引に係るルールを時代に即して改めて見直していく大きな転換点となると考えており、委員各位には是非とも、忌憚のない御意見と活発な御議論をお願い申し上げます」。第1回の検討会の冒頭、堀井奈津子長官が代読した黄川田消費者相のあいさつだ。続いて、長官も活発な意見交換を望む旨を述べた。
 検討会における議題は、デジタル関連とダイレクトセリング関連の2つ。前者は、特商法の通信販売規制で対処が難しい悪質なSNSチャット勧誘、ダークパターン問題、解約妨害行為などで、後者は点検・レスキュー商法や悪質マルチなど。今後の議論は、デジタル関連のトラブルを先行し、夏をメドに中間とりまとめを行う。
 有識者会議の1回目は、事務局を務める担当課の趣旨説明の後、各委員があいさつを行い、議題に対する自身の考えを表明することが通例。今回の検討会も同様の手順が踏まれ、取引対策課の遠藤幹夫課長による説明の後、法規制の強化を求める消費者サイドの委員と、慎重な議論を望む事業者サイドの委員の間で、互いをけん制するようなやり取りが行われた。

新たなルール「重要」


 規制積極派≠フ一人として先陣を切った河村真紀子委員(主婦連合会会長)は、「長く求めてきた特商法改正を含む議論の場が開かれて本当に嬉しく思う」とあいさつ。チャット勧誘のトラブルを取り上げ、現行の特商法では通信販売の一形態と位置付けられているところ、「新たなルールを作っていくことが重要」との考えを述べた。定期購入のトラブルやレスキュー商法にも触れて「ルールをきちんと設定することで、優良な事業者にとっても健全な市場が作れるのではないか」と意見した。


(続きは2026年2月12日号参照)