ポーラ・2025年12月期 難航する業態改革

4期連続の1千億円割れ
収益力の低下が顕著に


 ポーラ(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)は、2025年1月に新体制に移行し、1年が経過した。長らくリーディングカンパニーとして盤石な地位を確立してきたが、コロナ禍を境に状況が一変。特に、カウンセリング販売のベースとなるサロン展開はニーズの変化や組織の営業力の低下などさまざまな要因が重なって急速に縮小している状況にある。小林社長は1年をかけて新たなサロン像を構築、旗艦店「ポーラ ギンザ」を筆頭に、ハイクオリティなサービスと製品を提供する店舗網を構築していく。ECや海外など委託販売以外のチャネルも強化することで、主力チャネルの衰退をカバーする狙いだが、就任1年目の総括は厳しいものとなった。

ポーラの低迷
全体業績に影響

 ポーラ・オルビスホールディングス(本社・東京都中央区、横手喜一社長)の2025年12月期は、連結ベース売上高が前期比横ばいの1702億8500万円となった。営業利益は13.6%増の156億9300万円、経常利益は同5.8%増の170億2200万円、当期利益は同2.0%増の9472億円と、全体では前期から転じて増益となった。主力のポーラブランドでは苦戦が続いた一方で、もう1つの柱であるオルビスが伸長した結果、売上高は横ばい、利益面ではプラスとなり、ポーラの不調がより目立つ結果となってしまった。
 セグメント別の実績をみると、ポーラを含むビューティケア事業は売上高が同0.6%減の1641億4800万円、営業利益は同6.2%増の158億5600万円と、全体では増益。売上高は、前期が2.0%減だったことを踏まえれば減収幅が縮小しており、改善がみられる。ビューティケア事業は、主力のポーラブランド、オルビスブランド、Jurliqueブランド、育成ブランドの4カテゴリーに分かれるが、このうち増収増益となっているのはオルビスのみで、同ブランドは売上高が前期比14.3%増の502億3900万円、営業利益は同12.0%増の93億400万円と、2ケタ増収増益が続く。オルビスは、現ポーラ社長の小林琢磨氏が2024年までトップとして立て直しを図ってきたブランドで、通販ブランド≠ニいうカテゴライズから脱却し、付加価値のある9高価格帯アイテムの売上比率を上げるなど、ブランディングの見直しを図ることで業績回復につなげた実績は、前期でも示された模様。このほか、Jurliqueブランド、育成ブランドにおいては損失の改善がみられた。
 その一方で、ビューティケア事業売上の半数以上を占める主力のポーラは、苦境が続いている。2025年12月実績は、売上高が前期比2.6%減の903億7300万円、営業利益は同12.5%減の86億8700万円と。減収率は縮小しているものの、依然としてビューティケア事業のみならず、ポーラ・オルビスホールディングス全体の足を引っ張っている状態が続いている。国内事業における顧客1人あたりの購入単価は前期比4.6%増、これに対して顧客数は同7.8%減となっている。小林社長は、「B.A」など高価格ラインをリピート購入し、ブランドに強い愛着をもつロイヤルユーザーを重視したマーケティングを強化しており、その成果が出ていると見ることができる。

営業利益率が
10%下回る

 グラフ1では、ポーラブランドの2009年12月期から直近の2025年12月期までの売上高および営業利益率の推移を示した。



(続きは2026年3月5日号参照)