デジタル・特商法検討会 「書面電子化」 討議の見込みは?
事務局資料に記載、議題多く「時間切れ」も

▲書面電子化制度の施行後2年見直し規定は、デジタル取引・特定商取引法等検討会(=写真)の説明資料に記載されたが、優先して討議される論点は多い
23年6月に導入された特商法の「書面電子化」制度は、紙媒体しか認められていない法定書面を電磁的方法で交付することを可能にした。PDF形式の書面の電子メールによる送信、WEBサイトからのダウンロードといった手法だ。
しかし、要件は厳しい。
消費者が電磁的交付に承諾したことを証明する書面が必要で、これは紙媒体による交付が義務となる。消費者がデジタル機器を問題なく使用できるか、電子書面の写しを第三者へ送信するか、電子書面が消費者のもとに到達したか――などの確認も必要となる。
全ての手順をデジタルで完結できず、手続きが分かりにくく手間も増える。今までの紙媒体のほうがコンプライアンスリスクを回避しやすいといった理由から、ダイレクトセリング業界ではほとんど活用がみられない。
この現状は、消費者庁が24年にまとめた実態調査や、本紙による業界アンケート(25年8月21日号)でも明らかだ。
一方、制度を導入した改正特商法は、その附則第6条に「施行後2年見直し」規定が定められた。制度の開始は23年6月のため、昨年6月に2年を経過。同規定の発動条件が満たされた。
消費者庁は、制度の利用状況等について検討を行わなければならず、「必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」(規定より抜粋)こととなる。
昨年8月、同庁取引対策課は本紙取材に制度の検討に着手した旨を返答。この時は「検討が将来的にどういった議論につながっていくかは未定」とコメントした。
半年を経過した1月22日に検討会が発足。第1回会合で、取引対策課担当の事務局が提出した「説明資料」は、検討会での議論を求める論点の項において、改正法附則における検討事項に「施行後2年見直し」規定に基づく「書面電子化」制度があることを記載した。
ただ、検討会における論点は多岐に渡り、関連の消費者トラブルを防止する効果的対策の難しさを抱える。このため、制度を討議する時間的余裕は限られることが考えられる。
