2025年度の特商法執行 延べ処分80件、過去10年で実質最少

訪販の処分が大幅減、検挙≠ノシフトか


 2025年度(25年4月〜26年3月)に行われた特定商取引法違反の行政処分は、延べ件数が前年度比で3割の減少となったことが本紙のまとめで分かった。より実態に近い、事業者数ベースの処分も17%の減少となった。取引類型別は、訪問販売の処分の減少が顕著。一方で、警察による検挙は増加しており、「トクリュウ」問題等を背景に法執行機関が前面に出てきた影響も窺える。処分事業者の手口は、訪問販売で点検商法やレスキュー商法、通信販売で定期購入商法が目立ち、近年の傾向が続いている。

事業者ベース
は4件の減少
 25年度の特商法処分の延べ総件数は80件で、前年度に対して36件の減少(グラフ参照)。比率では31.0%減。件数の減少は2年連続。
 実質の件数は過去10年で最少。特商法は17年12月に業務禁止命令の規定を導入。16年度および17年度の処分は禁止命令を含まず、禁止命令を除いた25年度の件数は16〜17年度を下回った。
 近年の処分はコロナ禍に見舞われた21〜22年度に急減。消費者のヒアリングや事業者の拠点への立入検査といった証拠固めのプロセスが制約を受けたことが理由。しかし、25年度は当時の処分数も下回った。
 執行主体別に見た延べ処分数は、国(※1)が42件で、前年度比は33件の減少。都道府県は38件で3件の減少。比率で見た場合、国が44.0%減、都道府県が7.3%減。国による処分数の減少が際立った。
 より実態に近い、事業者数ベースの処分件数は前年度比で4件減の26件(※2)。延べ件数と同様に減少した。ただし、過去5年で見た場合、24年度を除いた21年度〜23年度は20件台で推移しており、21年度および22年度の件数を上回った(※3)。国・都道府県別の処分数は、国が14件、都道府県が13件(※4)。

訪販の検挙者数
2年で1.8倍
 処分を行った都道府県は9都県で前年度と変わらず。事業者数ベースで東京都が4件、埼玉県が2件の処分を行った(※5)。
 事業者数ベースで見た取引類型毎の処分数は、12件となった訪問販売が最多。全体の46.1%を占め、訪問販売が件数と構成比のいずれもトップという近年の傾向が続いた。
 しかし、前年度比の件数は4件のマイナス。23年度は20件だったため、2年連続で減少した。
 近年、訪問販売で処分される事業者の手口は、住宅リフォーム・住宅設備系の点検商法、水回り修理等のレスキュー商法が大半を占める
(続きは2026年4月9日号参照)