ダイレクトセリング化粧品 「多様な接点確保」の課題


▲子会社で展開するEC専用ブランド「LINK+U」(御木本製薬)
ビジネスモデルの転換期を迎えているダイレクトセリング化粧品市場。化粧品分野に限らず、訪販系の販売チャネルを擁する企業では、かつては訪販組織以外の販路を構築することは困難だった。既存の販売員の商圏を侵害するおそれがあるとして、反発を招く可能性があったからだ。現在は販売員自身が多様な販売チャネルで商品を購入するようになったことや、販売員の高齢化や経営aの世代交代などさまざまな理由から、販路開拓のハードルは下がっている。既存組織ではハイブランドの強化と合わせてロイヤルユーザーを育成し、フックアイテムと新規チャネルの創出で潜在需要の掘り起こしを図るというのがスタンダードとなっている。
多角化進む
表は、化粧品を主力商品としてダイレクトセリングを展開している企業34社について、エステティック等のサロン・店舗、公式ECサイトの展開状況をまとめたもの。これによると、34社中、サロン等の店舗を展開しているのは21社で、全体の約6割を占める。公式ECサイトで化粧品等の主力アイテムを販売している企業は、34社中22社と、サロン展開より若干多い。サロンと公式ECサイト双方を展開している企業は14社で、全体の4割超となっている。ポーラをはじめ、ナリス化粧品、ノエビア、オッペン化粧品、御木本製薬、シーボン、クラブコスメチックス、ナガセビューティケァといった大手・老舗企業の大半が多チャネル展開を実施。これらの中には、公式EC以外のECサイトでも商品を販売しているケースもある。ナリス化粧品では、ドラッグストア・量販店流通で展開するナリスアップブランドにおいて、ハンドクリーム「NARIS UP ハンドUV リンクルデイクリームW」や、薬用かかと美容液「足小路麗子(あしのこうじれいこ) 薬用 フットケアジェル」をAmazon限定商品として展開。一方、「セルグレース」や「ルクエ」といった主力ブランドは、販売員よる直接販売やナリス店舗、公式オンラインショップでの取り扱いとなっており、棲み分けを行っている。
ポーラでは、「B.A」や「リンクルショット」、「ホワイトショット」といったメインブランドも公式オンラインショップ以外のECサイトでも展開しており、戦略の違いがみられる。御木本製薬では、2025年に立ち上げた新会社から若年層向けの新ブランド「LINK+U(リンク)」をEC専用ブランドとして展開。真珠由来の独自成分を強みとする「ムーンパール」などの主要ブランドとは、販路やターゲット層を明確に区分して新規ユーザーの開拓を進めている。
