シリーズ・特商法改正 「不招請勧誘規制」検討求める声、止まず

積極派…ステッカーの効力、「特商法で明らかに」
慎重派…「営業機会を奪う」「抽象的段階の行為」



▲レスキュー商法・点検商法が議題となった第5回検討会で、不招請勧誘規制強化の声が再浮上(写真は第1回検討会の模様)
 消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」(以下検討会)が前半戦≠終えようとしている。5月18日の第5回までに、悪質なSNSチャット勧誘、ダークパターン、定期購入商法、解約妨害、レスキュー商法、後出しマルチなどの対応策を討議。まだ幾つかの議題を残すが、夏メドの中間まとめの道筋をつけつつある。一方、事務局が用意した議題にないテーマの検討を求める声も。過去の特商法改正議論で幾度も浮上した不招請勧誘規制だ。規制とリンクした参入規制(開業規制)も意見されている。業界サイドの反対や法的見地による慎重論、時間的制約などから検討の余地は小さいと考えられるが、賛同委員は事務局にプレッシャーをかけ続けている。

「真面目な事業者にも有意義」

 不招請勧誘規制の強化を求める意見が最初に飛び出したのは、1月22日の第1回検討会にさかのぼる。
 河村真紀子委員(主婦連)が、いわゆる「訪問販売お断りステッカー」(以下ステッカー)に一部の地方自治体が条例で法的効果を与えている事例を取り上げ、「自分の家で安心して過ごすことは基本的な権利」と主張。
 郷野智砂子委員(全国消団連)は、特商法改正を求めるこれまでの活動で、訪問販売や電話勧誘販売の事前拒否制度を提唱してきたことに触れ、「法整備は真面目に取り組む事業者にとっても有意義」と意見した。
 第2回以降は、デジタル取引トラブルが議題の中心となり影を潜めていた。が、5月18日の第5回検討会で、悪質訪販の代表格であるレスキュー商法・点検商法が議題となり、対策の一案として、不招請勧誘規制が再浮上した。
 現行法における不招請勧誘規制は、事前アポイントのない訪問自体を禁じるオプトイン型≠ニ、訪問先の消費者から断られた場合に勧誘を続けることを禁じるオプトアウト型≠フ再勧誘規制の2パターンに分かれる。前者は訪問購入で導入されており、後者は訪問販売と電話勧誘販売で定められている。
 第5回検討会で、不招請勧誘規制議題化の口火を切った島薗佐紀委員(弁護士)は、再勧誘規制の適用場面を広げる観点から規制強化を求める意見を述べた。

点検商法対策「あまりない」

 島薗委員は、苦情相談が増加を続けている点検商法被害を取り上げ、事務局が示した論点案の中に「(被害に)対応する対策があまりない気がする」と指摘。
 相談者に占める高齢者の多さ、不意打ちで不安をあおる悪質さ、被害額の大きさに触れて、「今回の中心的論点でないことは認識しているが、(勧誘の)拒否者に対する訪問勧誘の規制が必要」と意見した。
 規制強化の手法には、「家の門戸に『訪問販売お断り』と記載された貼り紙を貼っておくなどの方法により、あらかじめ拒絶の意思を表示した場合」において、その家を訪問する行為が再勧誘禁止規定に該当することを「条文上明らかにすべき」と求めた。

(続きは2026年6月11日号参照)