後出しマルチ・モノなしマルチ 連鎖と「実態変わらない」、規制明確化へ

購入のみ→改めて了承取得、
同一視は「問題ある」

 消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」は5月18日の第5回会合で、レスキュー商法と後出しマルチ・モノなしマルチを含む問題を中心に討議を行った(レスキュー商法関連は6月4日号4面既報)。取引対策課の務める事務局は、後出しマルチと通常の連鎖販売取引の実態は変わらないとの認識を示し、特定商取引法の規制対象となることを明確化する考えを述べた。一方、製品の購入のみを目的に契約を結んだ消費者に対し、了承を得た上で連鎖販売の勧誘・契約締結を行うケースは同一視しない考えを示した。

詐欺的商材を販売

 現行法の連鎖販売の定義は@商品の販売・サービスの提供のあっせんをする事業者がA再販売や受託販売、役務の提供などを行う者をB特定利益を得られることをもって誘引しC特定負担をともなう取引を行うこととなっている。
 これに対して、後出しマルチは、勧誘〜契約締結の過程でBを行わず、一定期間が経過した後に持ち掛ける。この時間差≠理由に、現行法では後出しマルチが連鎖販売とみなされていない。
 また、最初に契約した商材・ビジネスでは儲からないケースが少なくなく、利益を得る手段としてBを切り出すパターンが目立つ。これまでに訪問販売事業者としての行政処分や返金訴訟が繰り返されてきた。
 事務局の資料では「詐欺的な投資商材等を販売し連鎖販売取引であることを事後的に告げる」手法と記載された。
 PIO―NETの「マルチ取引」相談件数は15年度の約1万2000件に対して、直近の24年度は約4000件。事務局の遠藤幹夫取引対策課長は「3分の1くらいに減ってる」と述べつつ、商品・役務が「他の金融関連サービス」に分類される相談は「顕著に増加している」「投資商材、FXのセミナーのものがみられる」と説明。これら相談が「後出し(マルチ)というパターンが結構多い」と指摘した。

基準に「意図的」

 後出しマルチの相談について、特定利益を事後的に提示されたタイミングを分析したところ、相談者の約57%が、1カ月以上経過した時点で提示を受けていた。

(続きは2026年6月11日号参照)