ダイレクトセリング化粧品 多様化する新規事業

美容から介護まで幅広く
ノウハウ活かす施策目立つ



▲美容家の西村直子さんを招いたイベントで「LINK+U」をアピール(御木本製薬)
 老舗企業の多いダイレクトセリング化粧品分野では、このところブランド刷新の動きが活発化している。販売員の高齢化や既存組織の縮小といった課題に対して、ブランドの骨子は変えずに、より現代の消費者にアピールしやすい表現や商品をラインナップすることで、新しいユーザーを掘り起こしていく狙いがある。このような大規模なブランド刷新は、事業の根幹をなす主力ダイレクトセリング事業で行われているが、同時に、新たな事業を立ち上げて潜在顧客の掘り起こしを図る動きも、ここ数年のトレンドだ。各社の施策をみると、長年の研究開発ノウハウを活かせる美容分野から健康関連、さらには介護事業まで取り組みは多岐にわたっている。

親しみやすい新ブランド


 御木本製薬は先ごろ、ダイレクトセリングで展開する化粧品について、従来の「MIKIMOTO COSMETICS」から「MOONPEARL」に変更した。「ムーンパール」は、同社のスキンケアブランドで用いられてきた名称だが、化粧品ブラド全体を「MOONPEARL」に改めることで、真珠由来≠フ成分を特徴とする同社化粧品の強みを分かりやすく訴求していく方針を示した。
 同社では、主力事業の改革を進めるかたわら、新規マーケットの創出にも乗り出しており、2024年10月に設立した「LINK」において、スキンケアブランド「LINK+U」を展開し、ECで販売している。前出の「ムーンパール」ブランドは、真珠由来の成分を強みとしており、長年の愛用者も多い。その半面、新規ユーザー、若年層への訴求力に課題があったことから、新会社を設立して新規マーケットでの需要掘り起こしを始めた。
 「MOONPEARL」ブランドは、高機能・高付加価値のハイブランドであり、ダイレクトセリング化粧品がもともと得意としてきた分野。これに対し、「LINK+U」は、手頃な価格帯(3000円〜5000円台)、クレンジングオイル、洗顔料、化粧液、保湿乳液というシンプルな商品構成で分かりやすいブランドという位置づけだ。パッケージデザインも、高級感のある「MOONPEARL」に対し、「LINK+U」は、丸みを帯びたデザインを採用し、カラーもパステル調をベースにしてライト感を演出、親しみやすさを訴えている。「MOONPEARL」ブランドが販売員による対面販売、クチコミがメーンであるのに対し、「LINK+U」はホームページやSNS(インスタグラム)を積極活用した販売手法を採用。さらに、ポップアップイベントを定期的に開催するなど、明確な差別化を図っている。

事業多角化の
根幹は地域密着


 創業から30年以上の歴史をもつアシュランは、事業の「見える化」にいち早く乗り出し、化粧品製造工場をはじめさまざま施設でそれを実践してきた。



(続きは2026年7月2日号参照)