訪販協の連鎖販売自主規制 「投資系商材」禁止、再検討も
特定商材の排除、消費者庁は見送る方針
検討会で「モノなしマルチ」対策めぐり

23年より検討
日本訪問販売協会の「連鎖販売取引に係る自主行動基準」が最後に改定されたのは22年3月。同年4月の成年年齢引き下げ(18歳成人)を踏まえ、取引相手として不適当な者に「成年に達したばかりの者」を追加した。未成年、学生、成年被後見人・被保佐人・被補助人などと同様に「勧誘を行わないよう、周知徹底を図る」ものとした。
これに対して、23年より協会内部で検討が続いている、連鎖販売で投資系・情報系商材を取り扱うことを禁じる自主基準の改定案は、「モノなしマルチ」問題を発端とする。
「モノなしマルチ」は、苦情相談件数の急増などを受けて、19年に国民生活センターが注意喚起を行ったことで、大きく注目を集めるようになった。
最大の特徴は、取り扱う商材が投資系・情報系であること。仮想通貨、海外事業の投資話、格安の海外旅行権、FXの自動売買ツール作成ソフト、ブックメーカーのビジネススクールなど多岐に渡る。
アフィリは除外
被害者には10歳代〜20歳代の若者が多い。社会経験が未熟な世代の交友関係を利用し、代金を借入させたり、返金に応じないといった悪質さが問題視されてきた。
20年版の「消費者白書」で「注目される消費者問題」の一つに取り上げられ、特定商取引法による行政処分や返金を求める集団訴訟が相次いできた。
協会の加盟社に、連鎖販売で投資系・情報系商材を扱う企業はいない。が、トラブルの深刻さや、PIO―NETの「マルチ取引」相談における「モノなしマルチ」の増加などを受けて、自主基準で法遵守の姿勢を強く示すことなどを目的に、禁止案の検討が着手された。
当初は、禁止候補にアフィリエイト・ドロップシッピングを含んでいたが、24年にアフィリエイト系団体からヒアリングを行うなどして検討した結果、候補から除外。少しずつ議論を深めてきた。
ただ、検討開始から3年を経過した現在も結論は出ておらず、継続案件となってきた。
「後出し」にも該当
このような中、1月に始まった消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」でも、「モノなしマルチ」対策が議題の一つに。6月11日の第6回検討会で、初めて本格的に議論された。
