エステJIS制度 業界健全化の切り札になるか?

相次ぐ大手サロンの不祥事



 エステティックサービスは、癒しサービスの旗手≠ニして業界の内外から期待されてきた。健康や美容に対する関心が高まる中、産業育成の機運も高まっており、官民一体で日本の美容関連産業の育成を目的とした「J―beauty産業研究会」には、エステ業界から日本エステティック振興協議会が参画している。また、日本エステティック機構(略称・JEO)を中心に策定が進められている「エステティックサロンのマネジメント及び品質管理に関する一般要求事項)」、通称「エステティックJIS」は、規格原案が完成し、最終調整の段階にある。同規格については今年度中に公示予定となっており、JEOではJIS(日本産業規格)案を参照して「エステティックサロン認証基準」および同基準の運用規程の改訂を行い、体制の整備を進めていくとしている。
 このように、業界側ではエステティック産業の健全化・発展に向けた取組みが進んでいるが、課題は山積みの状態だ。特にこの1年を振り返ると、業界、特に大手サロンで不祥事が多発している。消費者庁は1月30日、エステティックサービス大手のスリムビューティハウスの特定継続的役務事業に対し、特定商取引法違反で3カ月の業務停止命令を出した。同社では、痩身エステを体験するために来店した顧客に対し、執拗に契約を迫ったり、ダイエット食品の解約ができないかのように説明するなど、複数の違反がみられた(不実告知、迷惑勧誘)。また、3月にはシェイプアップハウス、ミス・パリ・ジェイピーエヌ、スリムビューティハウスの3社に対し、景品表示法にもとづく措置命令を出した。さらに遡ると、2025年は脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営するMPHが破産し、多くの会員が利用できなくなるなど社会問題化した。


 エステティックサービスに関わる相談件数(PIO―NET)の相談件数は、2016年度から2021年度までは概ね5000件〜8000件で推移してきた。が、2022年度の相談件数は2万2323件、2023年度は1万504件と急増。2024年度は9745件と再び1万件を下回ったが、2025年度は増加するとみられる。近年、脱毛サロンの破綻が相次いでおり、問題視されている。また、2022年4月から成年年齢が引き下げられたことにより、18歳からローン契約等が可能になったことで、若年層においてもエステティックサービスにおける高額契約のトラブルが多発している。



(続きは2026年7月9日号参照)