エステティック業界 市場健全化は成るか

今年度中に「エステJIS」制定
希薄な業界意識、どう訴求



 エステティック産業は、癒し系サービスの旗手≠ニして成長が期待される分野である。実際、美容・健康意識の高まりもあり、潜在需要は多いとみられるが、相次ぐ消費者トラブル、美容医療分野の拡大などを受けて市場規模は伸び悩んでいる。昨今は、脱毛サロンの返金や倒産に関わる相談や、HIFU(高密度焦点式超音波療法)による事故が多発しており、健全化に向けた取り組みが待ったなしだ。エステティック業界の第三者機関である日本エステティック機構(所在地・東京都千代田区、福士政広理事長、略称・JEO)では、2023年度から「エステティックJIS」(仮称)の策定に向けた活動を行っており、今年度中の導入を目指している。

トラブルの続発
大手も信頼損ねる


 6月26日、日本エステティック機構(略称・JEO)の第24回通常総会が開催された。福士政広理事長は冒頭の挨拶で、「当機構は設立以来、消費者保護と業界の健全発展を両輪に事業を推進してきた。その中核を成すエステティックサロン認証、エステティシャン認証、エステティック機器認証は、業界の信頼性向上を支える重要な基盤」と述べた。その一方で、「近年は認証制度の普及や拡大が必ずしも十分に進展しているとは言い難い状況にある。しかしながら、第三者認証機関としての社会的責務を果たすべく、着実かつ継続的に事業を推進し、業界の健全な発展に寄与していく」と言及した。市場の健全発展を促すための制度は存在しているが、機能していないという現在の状況を端的に示した内容と言える。
 JEOの認証制度の核は、2008年から運用されている「エステティックサロン認証制度」だが、3月末時点での認証付与サロンは111店舗23事業者にとどまっており、実態は不明確ながらも数千〜数万店舗あるとされる全サロンに占める割合はごくわずかに過ぎない。ダイレクトセリング化粧品企業が展開するサロンは、特定商取引法上のエステティックサービス(特定継続的役務提供)には該当しない都度払い方式で営業しているケースが多く、サロン認証にもそのようなサロンを対象とした「非継続型」という制度が用意されているが、DS化粧品系ではシャンソン化粧品が運営する「シャンソン エステティックサロン」1店舗が認証を受けているのみだ。かつてはポーラの旗艦店「ポーラ ギンザ」も参加していたが、現在は外れている。DS化粧品系のサロンは、化粧品メーカーとしてのブランド力、販売員のクチコミで信頼を獲得しており、そもそも制度に参加する必要性が低い。また、エステティック業界で相次ぐ消費者トラブルなどを鑑み、悪質事業者と同じと見られたくない≠ニいう心理も働いている。

(続きは2026年7月16日号参照)