特商法検討会 行政指導の「戦略的活用」、一定の賛同

厳正処分、国と都道府県の連携強化


 消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」は6月11日の第6回会合で、悪質事業者の行政処分を強化するとともに、行政指導を積極的に活用することで、問題のある勧誘・表示を排除する方向性を議論した。悪質性を考えづらい事業者の場合、処分にリソースを割くより、指導のほうが消費者トラブルを迅速に排除・抑止できるとする考えが事務局より示され、委員から一定の賛同を集めた。
 事務局を務める取引対策課は、現状のトラブルの特徴について、インターネット取引の表示が膨大となっており、事業者が結果的に悪質なダークパターンを利用するケースや、訪問販売・連鎖販売取引等で同種・類似の手口による多数の被害がみられると説明。
 そこで、悪質な事業者に対しては、国(消費者庁と地方経済産業局)と都道府県の連携を一層強化し、厳正な処分をより効率的に進める考えを示した。
 一方、事案の性質に応じ、行政指導などの処分以外の手法を積極的に活用することで、問題の勧誘・表示に対して「より多様なアプローチで是正を促す」(事務局資料より)ことを提案した。
 遠藤幹夫取引対策課長は法執行の現状について、国は行政処分が中心となっており、マンパワーやノウハウに劣る大半の都道府県は行政指導が中心と説明。連携の強化で、都道府県による処分を後押しする考えを述べた。そのため、職員を増員する必要性にも触れた。
 さらに、行政指導を「戦略的に活用してくべき」(同課長)と主張。ネット取引でよく見られる事例として、「調査の段階で、国が言うことなら、強制力がなくとも、問題であると指摘すれば聞いてくれるのではないかというタイプの事業者がまあまあいる」と説明。「何カ月もかけて処分を行うより、早めの指導で『違反の恐れがあるので直してください』と言って対応してもらえるなら、消費者被害を迅速に食い止められる」とした。

(続きは2026年7月16日号参照)