適格消費者団体の「差止請求」 約款の不当条項、ChatGPTで抽出
一次スクリーニング「おおむね有効」
実用化に課題、団体間でノウハウ共有へ

▲事業者の約款から消費者契約法等に反する不当条項を抽出する一次スクリーニングにおいて、ChatGPT のカスタマイズ機能で作成した「チェッカー」を活用(写真は検証結果の報告書概要)
「研究会」に
3団体が参画
AIを使って事業者の約款から不当条項を抽出する事業は、昨年7月、消費者庁から消費者スマイル基金(東京都千代田区)への委託でスタート。予算は約604万円。消費者スマイル基金は、寄付金を原資に、適格消費者団体の差止請求や被害回復訴訟を助成し、同庁より訴訟制度のポータルサイト運用を委託されている。
多くの約款は文章量が膨大となり、専門的な法的表現や複雑な構造をもつ。人の目で不当条項の有無を確認する作業は多大な労力を要する。この作業における一次スクリーニングのAIによる代替が試みられた。
不当性の判断は法解釈の余地があり得る。これをどこまでAIが補足できるのか。あるいは不当と判断されるべき条項を見逃したり、逆に正当な条項を不当と判断する可能性も考えられる。精度やリスクが検証された。
検証のため発足した「研究会」は、適格消費者団体に所属し、不当条項等の抽出・検討を行っているメンバーなど6名で構成。各団体は、消費者支援ネット北海道(札幌市)、消費者市民ネットとうほく(仙台市)、消費者支援機構福岡(福岡市)の3カ所。さらに、生成AIを実務で活用している外部の法律専門家が参加。抽出プログラムの作成等で協力を得た。
保証人代行、歯の
ホワイトニング
約款の不当条項にからむAI活用の検証は24年度にも行われており、この時は、教育・学習支援の業種を対象に、不当条項の情報収集の可能性を探った。消費者スマイル基金による検証は、このデータも踏まえた。
検証に利用したデータは13件。実際に不当条項をもつ事業者の約款や過去の判例を使用した。委託元の消費者庁消費者制度課によれば、対象業種は4種類で、保証人代行サービス、歯のホワイトニングサービス、中古自動車の購入、住居の賃貸借契約。不当条項は消費者契約法等に反する返金条件、解約料、違約金、損害賠償請求額の制限などが含まれたようだ。
