宅配水・サーバー業界 台頭する「浄水サーバー」

背景には宅配水のコスト増
潜在需要の掘り起こしにも



 水への安心・安全意識の高まりや、「おいしい水」の需要拡大を背景に、宅配水・サーバー市場は拡大傾向にある。特に、新分野として昨今注目されているのが、サーバーに水道水を注入することで手軽に浄水を使用することができる浄水器型のサーバー(浄水サーバー)で、ウォーターサーバーの利便性を備えつつ、定期的なボトル配達が不要で交換に手間がかからずコストを抑えられることから導入する企業が増えている。

25年度は前年比
1・7倍に拡大

   一般社団法人日本宅配水&サーバー協会がまとめた統計調査によると、宅配水およびウォーターサーバーの市場規模は増加傾向にあり、2025年度は2112億8600万円と2000億円の大台を突破した。市場の黎明期は、ボトルをリユースする「リターナブル方式」がほとんどだったが、2010年ごろから1回使い切りの「ワンウェイ方式(OW)」、水が入ったボトルから直接利用する「バックインボックス(BIB)」タイプが登場。現在では、手軽で管理しやすいOW方式、開封後も長期間衛生的に管理できるBIB方式が市場の主流となっている。
 そんな中、2023年ごろから台頭してきているのが浄水器形のウォーターサーバー(浄水サーバー)だ。前出の統計調査によると、浄水サーバーの市場規模は、2023年度が101億円、2024年度が161億1400万円(前年度比59.5%増)、2025年度が274億4300万円(同70.3%増)と伸長。宅配水・サーバー市場全体の成長率は、2024年度が8.5%増、2025年度が同6.9%増と1ケタであることを考えると、浄水サーバーのシェア拡大が急速に進んでいることが分かる。顧客数(台数)では、宅配水・サーバー市場全体が2023年度が524万台、2024年度が572万3000台(9.2%増)、2025年度が595万1000万台(4.0%)。このうち浄水サーバーは、2023年度が72万台、2024年度が102万6000台(42.5%増)、2025年度が126万6000万台(23.4%増)と、顧客数も順調に増えている。
 浄水サーバーの最大のメリットは、メーカー側にとっては「水ボトルの配達が不要」という点。昨今、ドライバー不足や燃料費、運送費の増加が著しく、経営を圧迫している。これに対し、浄水サーバーは水ボトルの定期配達が不要で大幅なコスト削減が可能だ(年1回程度のカートリッジ交換は必要)。

(続きは2026年8月6日号参照)