男性ニーズへのアプローチ カギは「価値観の多様化」か



 メンズコスメは、成熟期にある国内化粧品市場の中でも今後の成長が十分に見込めるブルーオーシャンとして、長らく注目されている。ダイレクトセリング化粧品企業もこれまでに数々の男性用ブランドを展開して新規マーケットの開拓を図ってきたが、金の鉱脈を掘り当てるまでには至っていない。その一方で、ライフスタイルや価値観の多様化が進んだことで、男性ニーズへのアプローチにも変化がみられるようになっている。


 富士経済がまとめたメンズコスメティックスの国内市場調査によると、2026年の市場規模は前年比0.4%減の1616億円(見込み)。メンズコスメは近年広がりを見せており、若年層だけでなく中高年の間でも利用が進んでいる。しかし、同社の調査によると、メンズコスメ自体の市場規模はここ数年頭打ちとなっており、1600億円前後で推移している。男性の間で美容や身だしなみを目的に使用が広がっているにも拘らず、市場拡大が進まない要因として指摘されているのは、「ユニセックス商品への移行」だ。
 ジェンダーレスというキーワードは、化粧品の商品政策においても重要なファクターとなっており、同様のコンセプトをもつ商品を開発する企業が増えている。クローズドマーケット主体で展開しているダイレクトセリング化粧品においては、メンズコスメは妻や母、娘といった「女性の家族から勧められて使用する」というケースが多く、家族で共有できるジェンダーレスアイテムは重要なフックとなる。美白やエイジングケアといったスキンケアの2大ニーズに対しても、男性における美容意識の高まりを追い風に訴求ポイントとなっている。一方、身近な女性からのクチコミやすすめだけでは新規ユーザーへのアプローチとしては弱い。

(続きは2026年8月20日号参照)