ポーラ・「リンクルショット」刷新 業績回復の起爆剤となるか

機能性強化とイメージ刷新
��大ヒット�≠フ再来に期待



▲シワ改善の��次の一手�≠�披露した小林琢磨社長


 ハイブランド路線全盛のダイレクトセリング化粧品市場。消費者の購買行動の変化や美容分野全体での競争激化、販売員の高齢化に伴う営業力の低下など、さまざまな課題に直面する中、さらなる高機能・高付加価値化によってブランドの訴求力を強化していくのが、現在のメインストリームとなっている。その流れをけん引してきたのは最大手のポーラ(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)。2025年に現社長が就任してから、最高峰ブランド「B.A」をはじめ数々のアイテムを刷新してきたが、来年1月1日にシワ改善ブランドとして認知度の高い「リンクルショット」を大幅リニューアルする。かつて一斉を風靡したブランドで巻き返しを狙う。

大型ブランドの大幅リニューアル


 10月5日、ポーラは都内およびオンラインで新製品発表会を開催し、2027年1月1日に新「リンクルショット メディカル セラム」(20グラム・税込1万5400円)を発売することを発表した。「リンクルショット」と言えば、日本で初めて��シワ改善�≠�うたった薬用化粧品として2017年1月に華々しいデビューを飾ったアイテムだ。現在では、メインアイテムの「―メディカル セラム」をはじめ、2剤方式の「―デュオ」、化粧水の「―ローション」とラインナップを増やして展開し、シワ改善ブランドとしての地位を確立している。また、シワ改善をうたったアイテムはポーラだけでなく、化粧品市場では多く展開されており、配合成分の違いはあれ、「シワ改善」カテゴリーにおける優位性はデビュー当時に比べれば失われており、シワ改善化粧品の元祖とも言える「メディカル セラム」を大幅にリニューアルすることで、再びブランド力の強化を図る狙いだ。
 発表会の冒頭で登場した小林琢磨社長は、まず「リンクルショット」の歴史に触れた。2017年に登場し、これまでに約522万本を販売、約201万人が体験してきたと紹介(2017年1月〜2026年8月末累計)。特に初年度は、発売9カ月で約80万本、約112億円の売上を達成するなど、ポーラ・オルビスグループだけでなく化粧品業界としても稀な��大ヒット�≠�達成し、「販売現場では購入制限が設けられるほどの反響があった」(小林社長)とアピールした。
 事実、「リンクルショット」がポーラブランドの業績を押し上げたことは数字上でも示されており、2017年12月期には1440億1200万円、翌年の2018年12月期には過去最高売上となる1501億8300万円を達成している(グラフ参照)。当時のヒットぶりを知る元ポーラ販売員は、「連日のように『リンクルショットが欲しい』という電話が入って、在庫が足りずお断りをせざるを得ない状況が続いた。営業現場はてんてこまいで、もうお祭りがずっと続いているようだった」と振り返る。当時は現在ほどSNSの利用は盛んではなかったが、「リンクルショット」のヒットはメディアで取り上げられ、クチコミで広がり化粧品業界の関係者はそのヒットぶりに注目していた。
 小林社長はそうした「リンクルショット」の歴史を踏まえた上で、さらなる競争力強化のために、新「メディカル セラム」では、最新の研究開発成果をフィードバックし、「��シワ悩み�≠ニいう概念そのものをなくす」と強調した。ポーラブランドの業績はコロナ禍以降、苦戦続きの状況にある。ベテラン販売員の離脱に一服感がみられ、最高峰ブランド「B.A」の刷新などの営業戦略も相まって、ここにきて底を打った感はあるが、予断を許さない状況にあることは変わりない。小林社長としては、一般消費者にも認知度が高い「リンクルショット」をテコ入れすることで回復基調を加速させたいところだ。

シワ改善の付加価値強化


 新「リンクルショット メディカル セラム」の刷新ポイントは、ブランドマネージャーの水野愛理氏とポーラ化成工業の楊一幸氏が説明。従来品には、ポーラ独自のシワ改善有効成分「ニールワン」が配合されており、これが優位性につながっていた。


(続きは2026年10月8日号参照)