米アムウェイ・「FTC和解」の重み �@
政権交代で「労働タスクフォース」設置
欺瞞行為対策プログラムを「再活性化」
9月17日、世界のMLM業界に衝撃が走った。米FTC(連邦取引委員会)が、不公正または欺瞞的な行為・慣行を禁じるFTC法第5条違反の疑いで、米アムウェイ(以下ア社)と、会員運営の「公認プロバイダー」2社を提訴し、和解した(10月1日号1面)。FTCは訴状で、会員によるMLMボーナスの誇大な説明、必要以上の製品購入の要請、ア社の不十分なチェック体制を主張。ア社は和解金、所謂「70%ルール」の徹底、売上の外部監査などの条件を受け入れた。FTCは何故、業界の巨人に切り込むに至ったのか。
FTCによるア社提訴は2度目となる。1度目は50年以上前の1975年。79年に出た判決は、同社の「70%ルール」や「10カスタマールール」、在庫買戻し制度などを根拠に、ピラミッドスキーム(PS)であるというFTCの主張を排除した。この「アムウェイ審決」は、PSとMLMの分水嶺を示す判例となり、「アムウェイセーフガード」と呼ばれる同様の仕組みが業界に広まった。
結果的に敗れたFTCだが、提訴の手を緩めなかった。96年には、PSの判断基準に第三者への小売の実態等が加わった「オムニトリション審決」を勝ち取った。2000年代にはスカイビズ、トレック・アライアンス、バーン・ラウンジなどの大型事件で勝訴した。
MLMの提訴は2010年代に加速する。始まりは15年のビマ提訴(表参照)。短期間に年商2億ドルを超え、破竹の勢いだった同社は��再起不能�≠ノ追い込まれた。翌16年には、業界を代表するハーバライフを提訴。2億ドルの支払いと報酬制度の抜本見直しを飲まされた。
19年にはアドボケアを提訴。和解の半年前、同社はMLM撤退を発表。和解条件には1.5億ドルの支払いと共に、MLMの恒久禁止が入った。
MLM相手の訴訟で連戦連勝を重ねていたFTC。が、19年のネオラ提訴で番狂わせが起きる。23年の判決で、PSを行っているとして差し止めを求めたFTCの主張が、根拠不十分を理由に退けられた。
ネオラは「記念碑的な勝利がもたらされた」と声明を出し、米DSAも「待望の判決」と呼んだ。その後、FTCは鳴りを潜めたかのように窺えた。
しかし、今年に入って状況が急展開を見せる。4月、FTCがフォーエバリビングプロダクツ(FLP)を提訴し、同社は和解に応じた。
